井口まみ
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「非正規をなくす方法」という講演会を行いました

雇用学習会「非正規をなくす方法」ーこの国で人間を取り戻すためにー」という講演会を、議員団主催で行いました。なんという、心に響くテーマでしょう。

先日の新聞で、「正規雇用になった人の方が非正規の人よりも結婚率が高い」という研究結果を報道していました。当たり前だとは思いますが、でも、こういうことも研究して明らかにしなければ、非正規で良しという風潮に飲み込まれてしまうということでしょう。それほど「非正規でなにがわるい」という風潮がはびこっているとき、「それはおかしい」という声を上げていきたいと心から思っているときでした。

講師は龍谷大学の脇田滋教授。労働法の第1人者です。海外の事情にも詳しく、へえ、そうなのかあ、ということがたくさんありました。ヨーロッパが働く人たちの権利を守る先進であることはよく知られていますが、それをめざして韓国が大きな前進をとげており、あっという間に日本を追い越しているというのです。

韓国では、労働者の7割は非正規で、日本を手本に法律を作ってきました。しかし、あまりの低賃金に国民の声が大きくなり、2006年に「非正規職保護法」をつくります。派遣の人も正規職員と賃金などの労働条件を同じにしないといけない。そして、2年間働いたら正規職員にしないといけないというものです。これによって2009年には6割から7割の人が正規労働者に転換されたというのです。やればできるということです。

でも脇田先生がいいました。「韓国も法律だけ作ったからそうなったわけではありません。経営者も法律を守らない、そのたびに労働者が声を上げ、周りが支援して実行させているのです」。

1時間半に及ぶ講演の内容は、市議団のホームページで詳しくお知らせしますが、今日の講演の核心は、私たちが「仕方ない」とか「時代の流れだ」とかあきらめないで、世界を見回してよく学び、自信を持って「雇用は正規労働者で」という声をねばり強くあげていくことだ、ということだったと思います。

おりしも国会では、悪名高き労働者派遣法の、より一層改悪になる改定案が通ろうとしています。めげずにあきらめずに、若い人が安心して結婚して子どもを産めるような国にするまで、「こんな低賃金おかしい」「こんな働きすぎおかしい」という声をあげていきましょう。