井口まみ
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中野島駅改善のため、国土交通省に要請しました

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中野島駅の北口に臨時改札をつけてほしいと、2000を越える署名が集まり、昨年、JR東日本に持って行きました。しかしなかなか埒が明かず、国土交通省に指導してもらいたいと、「中野島駅をよくする会」のみなさんといっしょに、国会に出かけました。中野島駅は、18年もの運動が実り、ついに橋上駅舎になることが決まりましたが、どんなに早くても6、7年後になるため、それまではあの踏切の危険が続きます。その解消のため、橋上化までの間臨時改札を北側に作ってほしいという運動が続いており、私も議会でとりあげました。

この日は、日本共産党参議院議員の田村智子議員(写真左端)に同席してもらい、田村さんの議員室で国土交通省鉄道局都市鉄道政策課駅機能高度化推進室と技術企画課というところの専門官の方に対応していただき、「いったいどうやったら北口改札ができるのか、考えてほしい」とうかがいました。

まずわかったのは、国の機構の中で「踏切やホームの安全性を統一的に考える部署がない」ということです。対応してくれた人はバリアフリーの担当でした。あのホームドアも担当しているそうですが、視覚障害者のバリアフリーのための施設だとしているとのことで、利用者全体の安全性を守るというわけではないようです。まして、踏切は、「道路ですからねえ」というわけです。もともと私たちも、中野島駅の周辺には福祉施設が多いことから、「中野島駅を福祉駅に」というスローガンで運動を始めたため、駅構内のバリアフリーとして、北口を考えられないか、と聞いたところ、「駅に行くのに2つのルートを作ってそれぞれをバリアフリーにするという考え方はある」といいますが、前例としては、新宿駅の東口と西口のように、どうしても両方を整備しないとあまりにも不便、というところに国が補助しているそうです。そして、このバリアフリーとは、改札口から電車に乗るまでに、バリアがなければいいのであって、駅の真横の踏切にバリアがあっても、また、エレベーターを利用するのにどんなに長い距離を移動しなくてはならなくても、それはバリアフリーになっているということで、私たちの実際の感覚とは違うのだなあと思いました。

踏切の安全性についていえば、踏切を渡る人の安全性が問題になったのは、何年か前の東武鉄道の事故がきっかけとのことで、それまでは、踏切の改良は道路の渋滞解消のためでした。ですから、鉄道事業者に責任がなく、「やるなら自治体でどうぞ」というのが鉄道事業者のスタンスです。ここのような小さな踏切の安全性を確保する国の補助もありません。対応してくれた方は、「状況が深刻なのはよくわかりました」と理解を示してくれましたが、「実態をJRに示して、要求していくことが肝要ですね」というアドバイスでした。

電車を利用するお客様の安全を守るのが鉄道事業者の責務です。そしてそれを指導するのが国の役割ではないのか。市民は縦割り行政と責任のなすりあいの犠牲になっているような気がしてなりません。これからも市民の安全のために川崎市が臨時改札を作ることを求めていくのは当然ですが、田村参議院議員とも協力して、鉄道事業者にも国にもそれ相応の責任を取ってもらうよう求めていこうと改めて思いました。