井口まみ
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「必要ならつくればいいのよ」~福島県視察-障害者作業所ひまわりの家を訪問

IMGP1312 福島の視察で、相馬市で障がい者施設を持っているNPO法人にも話を聞くことができました。震災時に障がい者はどうなったのか、という話を聞くためにいったのですが、対応してくれた、この法人の創設時から中心的に関わっている共産党の村松市会議員が障がい者施設を作り広げてきた道のりを話してくれました。

「相馬事件」と言うのをはじめて知りました。福祉関係の方ならみんな知っているそうですが。明治時代、この相馬を舞台に、いま考えれば統合失調症の旧藩主をめぐって大きな事件となり、これをきっかけに悪名高い戦前の「精神病者監護法」ができたという土地で、いまだに精神科の病院もなく、精神障がい者の作業所もここがはじめて、という土地柄でした。村松市会議員は、生活相談の中にこの問題があまりに多いのに驚き、「ないなら自分でつくろう」と作業所を立ち上げるのです。必要に迫られてグループホームをつくり、次々と広げていきます。いやその精力的なこと!

震災のとき、一番苦労したのは薬だったといいます。精神障がい者にとって、薬が切れることは重大なことです。しかし市内に病院はなく、隣の南相馬も福島も原発の影響で行くことができません。ありとあらゆる機関に電話をして、薬を手に入れたとのことでした。この行動力にも圧倒されました。

障がい者をめぐっておきているおおきな問題のひとつは、これから親も本人も高齢化していくことにどう対応するかということです。障がい者の法律では当事者が高齢化することを想定していないので、グループホームでも、日中は働きに行っているから世話人はいないし、介護が必要な親と障がい者が一緒に住む施設はありません。村松市議は「ウダウダ言っていないで、必要なら作ればいいのよ」。

私に作る力があるかどうかは、まったく自信がありませんが、なにか背中をどやしつけられた気がしたのは事実です。