井口まみ
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“御柱”…血が騒ぐのです!!

わがふるさと長野県諏訪地方は、いま、7年に一度のお祭りで沸騰しています。そう、御柱(おんばしら)です。

いまは便利です。地元ケーブルテレビのインターネット中継で、リアルタイムで見ることができます。木やりの声が聞こえてくると、もう仕事など手につきません。「私もいっしょにあの場にいたい!!!」と血が騒ぐのです。

全国の諏訪大社の総元締めであるこの諏訪大社には、上社と下社があり、それぞれ、2つの神殿を持っています。合計4つの神殿の四隅に1本ずつモミの巨木をたて、魔よけにしているといわれています。この柱を寅と申の年に建替えるのですが、八ヶ岳の山ろくからそれぞれの社まで、すべて人力で運んできます。そう、いまでもです。途中に山坂があります。上社の神殿に行くには川もあります。それをすべて人の力でのりこえて運ぶのです。合計16本の木は、担当地区が割り振られ、その地区の人たちが総出で引かなければなりません。そう、私もパソコンの前にいる場合じゃないのです!!

4月前半の土日は、道のり半分まで引いてきます。そこに急坂と川があるのです。

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第1週は上社です。上社の御柱にはめどてこという角がついていて、そこに人が鈴なりに乗っています。そのまま、木落し坂を駆け下り、川に落ちるのです。

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4月第2週は下社です。こちらの木にはめどてこがありません。そして木落坂は斜度35度、長さ100メートル。上から見ると転げ落ちてしまうような急坂ですが、人を乗せたまま落ちていきます。よその地域の人たちは「なんと野蛮な」といいますが、これが御柱の醍醐味なのです。そう、血が騒ぐ!

5月の連休と、次の土日で、いよいよ神殿に御柱を立てるために、また皆集まります。木やりの声に何百人が力をあわせて引き上げるのです。ようし、 5月は帰るからねぇ!