井口まみ
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女性の地位向上をめざして

勧める会川崎市には「川崎の男女共同社会をすすめる会」という会があります。私もその会員で、先日、総会があり参加しました。

今年で30回目の総会。つまり30年間女性の地位向上をめざした活動をしてきた会です。国連で女性の権利条約ができ、それを日本も批准して、女性も男性も社会の中で平等に生きることを当たり前にすることをめざしてきました。30年でどれだけ変わったか。たしかに小学校のクラス名簿は男女混合になって、男子が先ということはなくなったようだし、「女のくせに学問なんかいらん」ということは通用しなくなりました。でも、いまの日本は本当に男女の差なく、男性も女性も持てる能力を生かして、生きていける社会だろうか、と言われれば、「まだまだだなあ」と言わざるをえません。

ちょうどこの日、安倍総理が「女性の育児休暇を3年間認めるよう指示する」という報道がありました。ほんらいなら、育児休暇の延長は女性の要望です。しかし、ネット上では「冗談じゃない。3年も休んだら帰る机がなくなっている」という反応がばんばんでていました。それが現実で、安倍総理のこの発言は「子供は3歳まで家庭で育てろ」という一方的なステレオタイプの発想からかではないかと言われています。保育園が足りないことも、女性が働き続けることを阻害しています。保育園を作ろうというのは、40年前の女性たちが本当にがんばって運動されてきました。この総会で私がそんなことを発言すると、長くこうした活動をしてきた先輩の女性の皆さんから「まだ変わっていないのねえ」とため息が漏れました。

女性が能力を発揮できる社会でないということは、けっきょく男性だってただ馬車馬のように働かされるということになるんじゃないかと思います。もうそういう社会に戻ってはいけないと思います。そういうことを学びあえる会があることはとても大事だと思いました。