井口まみ
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6月議会報告―川崎の水道事業は市民のために

2013066月議会一般6月議会も怒涛のように過ぎて、26日閉会しました。今回の一般質問は、4テーマ。まずは水道事業です。2つの問題を取り上げました。

ひとつは、川崎市が神奈川県内広域水道企業団に水を融通してあげたのに、その代金を支払ってもらっていないという問題です。東日本大震災のおり、小田原の取水堰にすぐそばで直径8メートルの巨大導水管が破断し、20日以上にわたって水がとれませんでした。そこで緊急的に川崎市と横浜市が相模湖の水を企業団に融通しました。その直後に私は議会で、「これは有償か無償か」と質問し、「有償である」という答弁でした。ところが企業団はいまだに支払っていないのです。理由をただすと「他の構成団体(つまり横浜)と調整し、いくらにするか協議している」とのこと。

調べてみると、水を融通したのはこの時だけではありません。小田原の飯泉取水堰の上流で何か事故があって、たとえば油の流出があったとかで取水を取りやめて水が足りなくなったときに何回も融通していることがわかりました。そのうちの何件かも未払いで、川崎市が請求している金額は総額4200万円にもなります。いっぽう、支払った時もあるのです。まともな取り決めがないことが明らかになりました。請求額の根拠は相模湖の管理維持費などで、私たち市民が水道料金として負担しているものです。きちんと請求し、今後は単価設定も含め取り決めを作るよう強く求めました。この質問は神奈川新聞が翌日取り上げ、企業団の「逃げも隠れもしない」というコメントも載っていました。どういう意味なのか?

もうひとつは、上下水道局の業務を民間に委託する問題です。前回の3月議会で市長のいう「行革」のためにいくつかの業務を民間に委託して人件費を削減するのはおかしいという質問をしました。そのご実際に民間委託の計画が進んでおり、その内容を批判したのです。

一番問題だと思ったのは、水道管の交換という最も技術を必要とする部門を、まだ一部ではありますが民間に出してしまうということです。これはほんとに熟練の技術が必要で、一度これを失うと、もう水道事業は運営していけないというくらい大事な部門です。水を扱うというのはそれくらいむずかしいのです。水道局もそれはわかっていて、「市民生活に必要な業務は市が責任を持って行う」と答弁していますが、現に神奈川県企業庁は、工事部門をすべて民間に出してしまいました。この危険をずっと言い続けなければならないと思っています。

行革といっても、もう水道局は絞れるだけ絞ってしまいましたから、そんなに浮くお金はないのです。無駄遣いをただすという行革の目的がいまや、必要な人も減らして、市の責任を投げ捨てるという作業になっていないか、市民の監視が必要です。