井口まみ
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水道事業… 2012年度は 高い水を買い続けていた――9月議会報告 決算審査特別委員会その1

9月20日、川崎市議会第3回定例会の決算審査特別委員会で質問しました。4つのテーマでしたが、まず水道事業から。

2012年度は、市民が使った水道水のうち約7割は、神奈川県内広域水道企業団から買った水で、生田浄水場を含む自己水源からの水は3割にすぎませんでした。そのため、営業費用の約3割が、企業団に支払う水道料金である「受水費」で、90億6500万も払っていました。

その理由をただすと、2つのことがわかりました。ひとつは、長沢浄水場の改築工事で、浄水機能が低下していたため。もうひとつは、2012年度から潮見台浄水場(宮前区)を廃止してしまったことです。

さらにこの企業団から買っている水の単価と、川崎市が自己水源から水を取ってつくる水の単価(給水単価)をただすと、企業団は1㎥あたり54円39銭、川崎市の費用は25円98銭であるという答弁でした。

長沢浄水場の改築工事と潮見台浄水場の廃止を同時に行えば、市内の浄水機能が低下することはあきらかでした。しかしそれを行ったために、2倍も高い水を買うはめになったのです。これは、少しでも無駄な支出を抑え、市民の水道料金を大切に使うという観点から、あまりにずさんと言わざるを得ません。

私は、企業団の受水費を減らす努力はどうするのか、とただし、飛彈良一・上下水道事業管理者は、「2013年度以降は、長沢浄水場の工事が終わって、浄水機能が回復するので、企業団の受水量は減っていく」と答弁するとともに、「企業団の料金のさらなる引き下げを協議する」と答えました。

神奈川県内広域水道企業団の水源である相模川水系は、昨年の水利権の更新に当たり、河川管理者の国土交通省から通常許可される10年でなく、5年しか許可されませんでした。質問では、この問題も取り上げ、「国土交通省は企業団の水需要がそんなにないという判断をしているのではないか」と指摘しました。5年後に企業団がどれだけの水利権を許可されるのかによっては、企業団の存在そのものにも影響が出てきます。

これは、2015年度から企業団の水に7割も依存するという川崎市の計画は、見直しが必要であることを示しています。やはり、自治体は自らの水源を守り、市民への水は自治体の責任で供給することが最も大事だということをあらためて示しているといえます。