井口まみ
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「臨海部ツアー」を行いました

siori「川崎の南端で何が起きているか この目で見にいく 臨海部ツア~」と銘打ったバス旅行を計画しました。平日にどのくらい集まるかと心配しましたが、38名が参加。「大人の社会科見学」となりました。主催は日本共産党多摩区後援会。川崎の北端に住む多摩区の住民にとって、海の方は見たことがない人が圧倒的です。

IMG_1890見学場所は4か所。最初は川崎港のクルーズです。川崎市が所有する巡視船に乗って、港内を1時間でぐるっと見て回ります。川崎港はとても活気のある港です。岸には倉庫が立ち並び、自動車を輸出する船、鉄くずなどを輸出する船などがたくさん岸壁に停泊しています。そんな様子を海から見学しました。この巡視船は無料で乗ることができます。

IMG_18922か所目は川崎港コンテナターミナル。寒いので、特別に管理棟の会議室をお借りました。目の前に船の来ない港が広がっています。こんなに活気のある川崎港の中でここだけが時間が止まったように動きがありません。川崎港でコンテナを積み下ろししようという船がいないのです。こんな実態なのに、市の税金をつぎ込んで、さらにこの岸壁をあと2つも作ろうという計画が進んでいます。この場所でこの風景を見ながら、皆さんにこの話をしました。「市内の中小業者は明日の数十万円が工面できずに困っているというのに、10億円のクレーンなど、なぜホイホイと作るのか。お金の使い道が違う」と怒りの声が上がりました。

IMG_19013か所目は浮島の資源化処理施設。分別収集が始まったプラスチック容器包装の処理をしているところです。私は委員会で視察して、「これはぜひ市民に見てもらいたい」と思ったので、このコースに組み入れました。法律では容器包装を分別することにしているので、プラスチックなら何でもいいというわけではありません。しかしそれは口で言ってもわからないので、「百聞は一見にしかず」。実際に手で選別している様子を見てもらって、何を分別すればいいのか理解してもらおうというわけです。実際、みんな、食い入るように見学していました。見学コースには、実際にまぎれこんでいた異物も展示されており、市の職員の説明を聞いて「今日からちゃんと分別できる」と大好評でした。

kingusukaihuronto最後はキングスカイフロント。川崎市が世界的な医療研究のエリアにしたいと開発を進めている地域です。工場跡地だった広大な土地に、市が次々と研究施設を誘致しています。このなかに川崎市の衛生研究所や公害研究所を移転させた建物があり、そのロビーから、多摩川を眺めました。ただ眺めただけではありません。ここ、多摩川の下流に川崎市は道路を作りたいのです。高速道路も国道もすぐそばにあるのに、さらに道路をつくって、羽田空港とつなぎたい。世界から人とお金がやってくる、というわけです。その予定地を実際に見ると、対岸には空港と町が広がっており道路ができる条件にないことがよくわかります。そしてその計画には、川崎の市民の生活とどちらが大事かという観点がありません。このキングスカイフロントの推進をしている職員から説明を聞きましたが、多摩区の皆さんは「なんだかよその国の話を聞いているみたいだ」「自分たちの市がやっていることだとは思えない」と、率直な感想を言われていました。まさにそうだとおもいます。

帰り道、皆さんから感想を聞きましたが、「多摩区にいただけでは、川崎市が本当にやりたいことはわからなかった。きょうはほんとによくわかった」という声が上がりました。市民から税金を集めて、それを一体何に使うのか。大切なことを考えたツアーでした。