井口まみ
井口まみ井口まみ

30年前の女子大生も一気に読めました

IMG_2154[1]原発のことをほとんど知らなかった女子大生が1年間のゼミを通して原発の仕組みから、原子力ムラの問題、自然エネルギーの可能性まで学んで、1冊の本に仕上げた『女子大生 ゲンパツ勉強会』(新日本出版社)。理科がさっぱりわからない、30年前は文系の女子大生だったおばさんにも十分わかる、とても面白い本で、一気に読んでしまいました。

IMG_2155[1]表紙についている帯は、いまどきの女子大生がピース!していて、各章の目次になっています。自分たちでテーマを決めて、どうして電気が起きるのか、という基本のキから自分たちで、いっぱい討論をしながら原稿を書いたそうです。知らなかったことがたくさんあった。難しいけど避けて通ってはいけなかった。そういう思いがあふれていて、知らない人にわかるように書こうとしたことがよくわかります。これは日本のエネルギー問題の実にわかりやすい入門書になると思います。イラストも自分たちで書いたそうで、かわいらしいこと。同時に巻末で、この1年間を振り返った座談会が載っていて、いまどきの若い子たちらしい、心の揺れが記されていました。

原発反対ということ自体に抵抗がある人。なんとなく反対だけどそれでいいのかと思っている人。デモとか集会とか意味があるのかと思っている人。結局最後までその揺らぎがなくなったようではないのですが、でも、やっぱり、自分たちが学んだ衝撃的な事実をまわりにもっと知ってほしいということは一致したから本になりました。それもういういしいなあ、なんて思ってしまいます。

彼女たちの結論である、自然エネルギーによる発電を、国内のあちこちでたくさん起こして、原発に頼らない国づくりをした方がいい、という提案を、私たちはしっかりと受け止めていかなければ、と思います。再稼働も増設も絶対やってはならない政治を作ることが私たちの役目です。