井口まみ
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第52回稲田つつみ寄席、にぎやか~に開催

住んでいるまちで気軽に寄席に行きたい。そんな願いをかなえようと、共産党後援会が主催して寄席を始めてから25年。熱心な世話人会との共催で、52回目を迎えました。こんなに長く続いている地域寄席はあまりないそうです。

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今回の前座さんは春風亭昇也さん。あの昇太さんのお弟子さんです。いま27歳とのことで、落ち着いたうまいはなしでした。演目は「転失気(てんしき)」。始めて聞くはなしで、帰ってきてからインターネットで字を調べたのです。さあ、てんしきってなんでしょう。知らない和尚さんは知ったかぶりをして、小僧さんに散々笑われます。これを転失気という由来、一応説明もありましたが、やっぱりわからなかった。

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二つ目は桂小痴楽さん。こちらはもうすぐ21歳になるという若者です。つつみ寄席は3回目で、前回まではち太郎という前座でしたが、二つ目に昇進。おめでとう!最初は17歳でした。前座さんが何回もきて、昇進して、そのたびにうまくなっているのを見るのが本当に楽しみです。演目は「巌流島」。インターネットによると別名「岸柳島」と書くそうな。おちょくられた若侍が、岸の柳の樹の下でうろうろするからで、武蔵!小次郎!と関係はありません。

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色物は江戸家まねき猫さん。先代猫八さんの娘さんで、いまの猫八さんの妹さんです。おじいちゃんが確立した動物物まね。お父さん、お兄さんと練習してきたのでしょう。おうちのなか、たいへんだったんじゃないかなあ。つつみ寄席には4回目の出演です。前回は源氏物語を動物の立場で語りましたが、今回はなんと!河童の鳴き声に挑戦です。古文書に「こんな泣き声だった」という文があったとか。それを使って、川縁に河童が出て、犬と猫がほえているという情景を、それはそれはリアルに(といっても河童の鳴き声は知りませんが)演じました。

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トリは桂小南治師匠です。真打になってからだけでも5回目の出演。今日は「はてなの茶碗」でした。上方落語でよく聞くものですが、こちらでやると、威勢がいい。お茶がもれる茶碗が、ええっ、千両に!!ストーリーは知っているのに、とんとんと話が進んでいくのがおもしろくて、おもわずひきこまれていました。

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開会は顧問である私が前座の前座で一言やっています。「何で市会議員が出てくるんだ」といわれるので、毎回この寄席の歴史と出演者の経歴を披露しています。市民の願いをかなえるのが私たちの仕事ですからね。

落語というのは魔法のような世界です。セットもないし小道具もない。なのにその場にいるような気持ちになるのです。その世界を作れる人がうまい人。話し方はぜひ学びたいと思います。私も言葉で人の心を動かす仕事をしているのですから。