井口まみ
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船のこない港にまたムダづかい–臨海部を視察しました

 

3月の予算議会で私たちは、川崎市の新たなムダづかいを告発しました。あらためてその現場を見てきました。

<臨港道路水江町東扇島線>

IMG_2322[1]川崎港にはいくつも人口島があります。いちばん新しいのが東扇島。ここに新しい橋をかける計画です。写真が建設予定地で、この運河の上に橋がかかります。国の事業で現在発表されている総工費は540億円。その3分の1を川崎市が負担します。もともとは東扇島に国内外から数十万ものコンテナが陸揚げされるのに、川崎市内に渡る道路が1本しかない(海底トンネル)ということが建設の理由でした。しかしコンテナを積んだ船が来ません。市の理由がどんどん変わります。いまは大規模災害時の東扇島で働く労働者の避難のためだと。確かに海底トンネルは古いので他に経路が必要です。しかし、この橋は東電の火力発電所の燃料のLPガスの貯蔵用巨大タンクの真上を通り、水江町の石油コンビナートのど真ん中におりて行くのです。実は、東扇島の半分を使っているJFE(もと日本鋼管)は専用のトンネルを持っています。これを使わせてもらえば、新しい橋はいりません。だいたい素人が考えても、高速湾岸線で東京や横浜側に逃げた方がずっと安全です。

この橋に内陸から行くには、自動車排気ガス公害で最も汚染がひどい箇所の一つである、産業道路の池上新町交差点を曲がらなければなりません。地元ではなんとか交通量を減らそうとがんばっているときに、大型トラックの呼び込みはやめてほしいという声が切実にあがっています。船のこない港のために公害を呼び込むなんておかしい。この声にこたえるためにも、この道路建設はやめさせようと本当に思いました。

<千鳥町のモータープール>

IMG_2332[1]千鳥町というのは、私が生まれたころ作られた埋立地です。つまり50年ですね。ここには川崎市の岸壁があって、おもに鉄くずや土砂などを運び出す船が、川崎市に使用料を払って使っています。この岸壁や上屋が古くなったので直し、さらに用地を伸ばそうと、JA全農がコメの倉庫としてもっていた土地を川崎市がほかの土地と交換する交渉をしていました。しかし昨年、JAは交換ではなく買い取ってほしいと言ってきました。前市長は買い取りの交渉には応じなかったのですが、新市長になってすぐ、ほんとにすぐ、15億円で買うことを決定しました。前市長が動かなかったように、今すぐ必要な土地ではないのです。15億円のほかに、荷捌き地を作るのに1億6千万円さらに追加します。この土地は数年前に倉庫は火事で焼失しており、今は更地になっているところを見ました。そう、これが15億円の土地です。

IMG_2344[1]さらに問題は、もともとJAと交換する予定だった市の土地がすぐ背後にあります。ここはいま、海外に輸出する中古車の置き場になっていますが、この中古車の置き場=モータープールを、2階建てにするために9億円も出すというのです。JAと交換するはずだったのだから、モータープールがどうしてもここに必要だったというわけではないのに、この一連の動きのなかで、どんどんと私たちの税金が流出していく感じです。

これもやめるべき。3月議会でしっかり主張しました。

<ガントリークレーンが3基に>

IMG_2352[1]船が来ないのでいつもほとんどガラガラの川崎港コンテナターミナルに、3基目のガントリークレーンが完成していました。新しいクレーンは8億円。2つでも来ないのに3つもいらないと一貫して求めていましたが、「1つを修理しているときに2つないと、いっそう敬遠される」と、建設を強行したものです。この日も、やはり船は1隻もいませんでした。写真を撮ってみると、なんだか鉄骨の見本市みたい。コンテナは東京港と横浜港にみんな行ってしまっています。コンテナターミナルという川崎港は川崎港らしい存在になっていけばいいのではないでしょうか。

IMG_2353[1]波のまにまに税金を放り込むようなことはもうやめてほしい。市民の大きな世論を作っていくときです。なかなか港は見ることがありません。またツアーをやりたいと思います。