井口まみ
井口まみ井口まみ

決算審査特別委員会 分科会の質問から

2014決特分科会9月議会では前年度の決算を審査します。今年から審査の方法が代わり、分科会が担当する部局ごとに一人20分ということになりました。私は環境分科会。短い時間にいくつもの問題を端的に取り上げました。

〇水道料金を上げずに経営を

水道料金収入が減っています。2013年度はその前年に比べ約2億4千万円減収でしたが、そのうち1億8千万円は使用水量500㎥を超える大口利用者であることがわかりました。ちなみに2009年の水道料金改定でこの大口利用者の料金を大幅に下げましたがそれをしなければ、減収にならなかったことが答弁で明らかに。

いっぽう、長沢浄水場の改築工事などが着々と行われていますが、その費用はこれまで積み立ててきた自己資金ですべて行われ、5年間で約50億円が取り崩されたことも明らかにしました。この工事は2016年度で完了し、自己資金はほぼなくなりますが、配水池の耐震化工事などは「資金残高も回復する傾向にあり、自己資金をはじめ企業債や補助金などを活用し、目標通り施設の整備、耐震化は進められる」とのことでした。私は、「今の水道料金を維持し、庶民にはなるべく安い料金を守りながら、大きな工事を進められることがわかった。今後も庶民に手厚くあたたかい水道事業に」と求め、飛彈良一・上下水道事業管理者は「今後も市民の生活、企業の経営を守る努力を続ける」とこたえました。

〇下水道管の耐震化を急げ

下水管の耐震化率は全市でわずか27・7%です。災害時に避難所で下水が通っていないとたいへんなことになります。避難所と水処理センターを結ぶ管を「重要な管きょ」として、まず先に耐震化する方針ですが、当面もっとも老朽管が多く液状化の心配のある川崎区から。北部地域は重要な管きょの耐震診断が終わるのが2019年度になるという答弁でした。それはあまりにも遅いと、一日も早い耐震化を要望しました。

〇太陽光パネル、市民の取り組みに応援を

ベランダ発電1住宅用太陽光パネルの設置件数が減っています。2013年度は1300件を予定していたのに、816件でした。いっそうの普及をするためには、補助金を増額し手続きも簡略にすることはもちろん、既存の住宅やマンションでも気軽に取り組める支援も必要です。私はマンションのベランダにつけることができる1メートル四方の小さなパネル(写真)でも車のバッテリーにつないでおくと、LED電球1つなら一晩中つけておくことができる、と紹介。こうした市民の取り組みを支援するよう求めました。

〇過去の公害で苦しんだ教訓を忘れず、PM2・5の測定局を増やせ

PM2・5測定機PM2・5による大気汚染が問題になっています。PM2・5の測定機は市内14か所にありますが、多摩区は本村橋交差点1か所しかありません。私は、「PM2・5がぜんそくなどの原因になっていることはわかっている。川崎市は公害に苦しんできた。空は黒く、ぜんそく患者さんは発作が起これば身をよじって長時間苦しむ。この苦しみ、命までも奪ってきた公害を繰り返さない、二度と川崎の子どもたちにあじあわせないという決意のもとに環境行政を行うのが川崎市の役割ではないか」と、少なくとも監視体制を万全にとることを求めました。小林哲喜・環境局長は「今後も環境対策に取り組んでいく」とは言うものの、測定は「現行の体制で行っていく」と述べました。

※PM2・5(微小粒子状物質)…大気中に浮遊している小さな粒子のうち、粒子の大きさが2.5μm(マイクロミリメートル)以下の非常に小さな粒子のこと。肺の奥深くまで入りやすく、ぜんそくなどの原因となります。物の燃焼で直接大気中に排出されるだけでなく、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、溶剤・塗料からでる揮発性有機性化合物(VOC)といったガス状物質が、大気中で光やオゾンと反応(光化学反応)して生成されます。写真は、PM2・5測定機。