井口まみ
井口まみ井口まみ

国立競技場の壁画をまもれー文科省に申し入れました

1大沢壁画大沢昌助さんという、1997年に94歳でなくなった洋画家を知ったのは、一昨年のことです。寄席の世話人をしていただいている、うちのご近所にお住まいの映像プロデューサーの大沢昌史さんのおじいさんがこんなに有名な方だったなんて、個展に誘っていただいて初めて知ったのでした。

20160129 大沢昌助壁画文科省交渉この大沢昌助さんの巨大な壁画が、国立競技場の中にあり、建替えのため解体されたあとの行く先が決まっていないというのです。「所有者の日本スポーツ振興センター(JSC)と交渉しているがらちが明かない」という昌史さんから訴えを受け、これは国会議員に言うしかない、と、当選したばかりのはたの君枝衆議院議員に相談しました。おりしもはたの議員は文教委員に。「担当の文科省と交渉しましょう」ということになり、大沢さんと一緒に私も国会に出かけていきました。

文科省のスポーツ・青少年局の担当者と、JSCの理事がやってきました。国立競技場にあった壁画は大沢さんの2作品を含め13作品もあり、2作品は行く先があるものの、あとはどこかに引き取ってもらうことも含め今後の検討になるというのです。すでに解体工事は行われており、これらの作品はいくつものパーツに分割して、丁寧に梱包しているものの、代々木競技場の外に積んであるとのこと。大沢さんによれば、最初は焼却処分も考えられていたとか。芸術作品としての扱いではありません!。

国立競技場壁画大沢さんは言います。「どの作品も50年前、あのオリンピックを記念して、その成功を祈って作られたものばかり。国立競技場に飾ってこそその芸術的価値がある。どこかに何とか引き取ってもらえばいいというものではない」。

事態は、新国立競技場の設計者が、3月末までに壁画を受け入れるかどうか判断する段階だということです。畑野議員も私も「設計者がだめだと言ったらそれで終わりにせず、文科省のほうから、壁画を設置するスペースを確保するよう指導すべき」と求め、文科省の担当者は「芸術作品であること言うことは十分認識しており、きちんと保存すべきだと考えている」「国立競技場にあるべきだと自分も思うので、その方向で行けるよう、JSCと検討する」とこたえました。

これは世論も必要だと思いました。そもそもこんなすごい壁画が13枚もあったなんて、全然知らなかった。いまからでも遅くありません。これをたくさんの人に知ってもらい、署名運動もしようではありませんか。