井口まみ
井口まみ井口まみ

福岡県、山口県、佐賀県3県を駆けめぐる視察に行ってきました

北九州市から山口県宇部市へ。夜、北九州に帰ってきて、翌朝、北九州市から佐賀市へ。なんとまあ、目まぐるしく充実した視察でした。

小倉城1日目の北九州市では「いのちのネットワーク」、医療と介護の連携をうかがいました。様々な理由で生活に困っているひとをたて割り行政で見逃さないための仕組みを作り、区役所で相談に応じているやり方はぜひ川崎でも実現したいものだと思いました。

宇部市役所宇部市は川崎と同じく、2年前から、電機メーカー大手のルネサスエレトロニクスという会社が突然、事業所の閉鎖や撤退し、たくさんの労働者が仕事を奪われるということが起こったまちです。宇部市の市長さんは直ちに東京まで行って事業の継続を会社に申し入れ、市内の会社を自らまわって解雇された労働者の受け入れをお願いしたそうです。その経過やその後の取り組みをききましたが、何にもしなかった川崎市とえらい違いです。

川崎市は12月議会に中小企業振興条例案が出てきます。より良いものにするために先行事例を学ぼうと、宇部市と翌日は北九州市の条例を学びました。どちらも中小企業、とりわけ零細な小企業が全事業所の8割以上を占め、この振興なしに地域経済の発展はないという問題意識を持っています。川崎市も口ではそういうものの、本当に実効あるものにできるのか、両市の具体的な取り組みをいろいろ聞いてきました。

谷口さん1佐賀市は若者の様々な困難に寄り添って支援するNPO スチューデント・サポートフェイスの谷口仁史理事長のほんとにすごいお話をうかがいました。NHKの「プロフェッショナル」で放映されて、ぜひ会ってみたいと思っていた方でした。引きこもりや家庭内暴力など、どこで相談しても解決できなかった若者にとことん寄り添うだけでなく、その家族の問題も解決しなければダメならば、そこまで介入して、社会に飛び立てるまで支援する。数人で立ち上げたNPOは12年で、常勤職員60名、ボランティア230名という組織で、毎年1万件の相談に応じています。

谷口さん2子どもたちだけでなく大人になっても、とても生きにくい社会で、ちょっと相談に応じたくらいではとても解決しない事例が増えていると谷口さんは言われます。対応を間違えるとどんどん深刻化する。しかし今の行政の用意している相談支援や就労支援程度ではではとても対応できないと、考え付くあらゆる支援を実践しています。行政の補助金はもちろん活用し、法定事業も受託していますが、補助金が突然減らされたり、事業がなくなったり、政治にほんろうされ、「議員さんにはこの活動の大切さをぜひ知ってほしい」と忙しい時間を割いて2時間以上もお話しいただきました。

さぽすて私はくらしの相談センターで生活に行き詰まってしまった方たちの相談を受けます。少なくない事例で家族の中に働けずにいる若いひとがいて、高齢の親ごさんが困っています。この人たちに何ができるのか、いつもいつも心にひっかかっていましたが、ああ、こういう徹底した支援をする必要があるんだ、とわかりました。わたしが今すぐできないかもしれないし、本来は行政の役目が大きいと思いますが、私たちは地元で何ができるか。仲間たちに今日見聞きしたことを伝えて、いっしょにかんがえていきたいと、強く思いました。

佐賀空港を離陸するときにはもう日が暮れてました。たくさんの課題をもらった視察でした。