井口まみ
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「市営住宅に住み続けることができました」―嬉しい便りがありました

とってもうれしいことがありました。議会での質問がひとりの人を救ったのです。

市営住宅に住んでいるお母さんを介護するため、娘さんが退職して同居しました。何年かしてお母さんがなくなり、娘さんだけの一人暮らしになり、名義を変更しようと届けに行ったら「あなたはここに住むことはできません」と言われました。「市営住宅の承継問題」です。国の通達(単なる通達です!)により、2013年に川崎市は市営住宅条例を改定し、使用者が死亡するなどした場合、その後も住み続けられる、つまり使用権の承継が認められるのは、使用者の配偶者もしくは高齢者、障害者等で、特に居住の安定を図る必要のある者とされました。それにのっとり、まだ50代だったこの方は、承継することができないとされたのです。貯金もなく、いまさら新しい仕事につくこともできず、アルバイトで食いつないでいるのに、どうやってアパートに移れというのか、とほんとうに途方に暮れていました。

3月議会の一般質問でこれをとりあげました。2013年の条例改正に共産党は反対しましたが、その質疑の時に「そんなことをしたら、所得が低い方は生きていけなくなる」と指摘し、健康状態や収入によって柔軟に対応するという答弁を得ていました。しかし、おいだしが行われていることがわかり、おかしいではないかと追及したのです。答弁で「いちじるしい所得の低下などの場合は使用を許可」するということが明確になりました。

5月末、私の質問を見て「自分も承継できないと言われている」という方からメールがありました。いろいろ検索しているうちに私の質問の動画にぶつかったと言います。繰り返し出て行けと言われているのだが、自分はこの事例に当てはまるのではないか、というのです。多摩区の方ではなかったので、地元の議員を紹介し、いっしょに担当課と交渉してもらいました。そうしたら、今日、文字通りあっという間に「住み続けていい」と言われたという喜びのメールが入りました。

ほんとに質問してよかったとうれしく思いました。が、しかし、市営住宅から市民を追い出す政治っていったいなんなんだ、という怒りはぬぐえません。国が公営住宅を作らない方針にしていることが最大の問題です。それに自治体が追随しています。憲法の精神に従って低廉で良質な住宅を供給する責務があるのに、それを放り出し、入りたいという人がどんどん増えていることへの対策として、親がなくなったら若い人は出て行ってもらうということにするというわけです。国が公営住宅を増やさない方針にした理由は「民業を圧迫するから」というのです。近隣のアパートがあいてしまうから。市営住宅に入りたい人たちがどれだけ住宅費に苦しんでいるか。アパートを埋めたいなら給料をあげて生きることができるようにしてよ!これは言い続けなければなりません。

その動画はこちら。川崎市議会の会議録からも検索できます。https://www.youtube.com/watch?v=bGjnfRezy80