井口まみ
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学費が払えないーー学生の声を政治に届けたい

参院選のまっただなか、切羽詰まった生活相談が入り、相手との交渉に同行してきました。2年生になった大学生が、事務手続きのミスで奨学金がもらえなくなってしまったというのです。奨学金の窓口は各大学なので、その大学にお父さんといっしょに行ったのです。いろいろ調べていったのですが、結局学生の側にもミスがあり、復活は不可能だということがわかりました。この学生さんの対応は退学しなくてもいいように、今後具体的に考えることにしたのですが、この交渉の中で、何とかしなければ、と強く思ったことがあります。

いま学生の半分が奨学金を受けているのです。この日の交渉の中でも、「本校も昨年は3分の1くらいだったが、今年は激増した」と担当者の方も言っていました。大学もさまざまな奨学金を用意していますが、それにも申し込みが殺到すると言います。相談に行った学生も含め、そういうお金がなければ学業を続けることができない、学費の全額を奨学金で当てているという学生が少なくないのです。まず、学費がこんなに学生に重くのしかかっていることに、本当に許せない気持ちがするのです。「大学に行けるのはお金持ちだけ」というのは戦前の話で、誰もが等しく教育を受ける権利を持つようになったのが戦後の憲法のありかたではないのか、学費をどんどんつり上げてきた今の政治に、ほんとうに怒りがわきます。

さらに許せないのが、この奨学金の利子です。学費全部を奨学金で賄わなければらない、奨学金の額が多い学生ほど、返済にものすごい利子がつくわけです。最高額の月12万円を4年間受けていると、利子を含む返済額は最低金利で615万円!!想定される最高金利を適用されると、775万円!!!!20年返済で、毎月2万5千円から3万3千円を払わなければならないのです。初任給が20万円にいかない、首都圏でアパートを借りながら生活する若者に、毎月2万も3万も出せるわけがない!!ああ、もう怒り心頭です。

選挙の中で安倍首相が、「返済不要の給付金奨学制度」に言及するようになりました。共産党が「大学の学費は国立も私立も10年で半額」「給付制奨学金をすぐつくります」と打ち出し、共感を得てきたことが世論になってきたと思います。世論は政治を変えるとつくづく思います。だまっていないで次々と怒りをむけていきましょう。