井口まみ
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よみうりランド遊園地の真ん中に巨大な埋立地の計画!

昨年8月、よみうりランド遊園地の真ん中に巨大な埋立て計画があることがわかりました。いまの野外ステージなどを埋めつくす、面積4・6ヘクタール(東京ドームと同じ)、土砂の量39万トンいう巨大な規模です。この場所は、菅仙谷1丁目の谷戸の上にあり、万一崩れたら一気に土砂が流出するという危険なところで、過去にも被害を経験した菅仙谷の皆さんが、中止を求める陳情を市議会に提出。11月に市議会環境委員会で審査が行われました。

土砂災害の危険性高い「稲城砂」による埋め立て

埋立てに使われる土砂は、お隣稲城市南山で計画されている大規模な住宅地の開発残土です。これが「稲城砂」といわれ、もろくて崩れやすく扱いにくい砂として有名なのです。南山では開発地に埋め立てるときは特別の工法を使って固めながら埋め、雨の日は工事してはいけないと東京都の第三者委員会から指摘されている危険な砂です。
㈱よみうりランドが川崎市に提出している「環境影響評価準備書」では、この砂の特殊性については触れておらず、工事の安全性も考えられていません。

菅仙谷で過去何度もランドから洪水や土砂流出が
万一、この埋立地が崩れると、小沢城址のふもと、菅仙谷1丁目に流れ込む地形になっており、実際に昭和33年や41年など、何回もよみうりランドから水があふれ、被害を受けたところです。液状化により、39万トンもの土砂が流れ出れば、家屋の二階まで埋まってしまうという試算も出されており、「絶対にやめてほしい」と、署名もあっという間に1300名を越え、市議会に提出されました。

委員会の審査では、住民の皆さんが事前に環境局やまちづくり局にこの砂の危険性の資料を届けておいたため、環境局長は「稲城砂の危険性は認識している。細心の注意を払ってすすめたい」と答弁。埋め立ての技術的な指導を行うまちづくり局も「東京都の基準は勉強する」と答えるなど、この審査の中で、稲城砂の危険性を川崎市に認識させることができました。

故意に工事範囲を小さくしている?
委員会で特に問題になったのが、工事の範囲です。川崎市の条例では1ヘクタール以上の埋め立ては環境影響評価(アセス)という手続きを行いますが、5ヘクタール未満では「準備書」を出して、市民の意見を聞いて終わりにできます。しかし、5ヘクタールを越えると、公聴会や市の審議会を経なければなりません。今回は4・6ヘクタール。しかし、隣接する調整池も同時に改修され、これを加えると5ヘクタールを超えることから、これは「アセス逃れ」ではないか、と日本共産党の佐野議員が指摘しました。かつて川崎市は岡本太郎美術館の建設時に、建設地に隣接する仮設道路を工事面積に加えず、意図的にアセス逃れをした前科があり、それに似た形になっています。

委員会では「継続審査」に
委員会では、アセスの手続きの中で、市民意見が出されてそれに対する見解書を事業者が作成しているところなので、その見解書を待ってもう一度審議するということで、「継続審査」になりました。問題点山積のこの問題、ひきつづき議会でしっかり議論していかなければなりません。署名も引き続き集められており、さらに議会に積み上がることが期待されます。

年末、環境局長に会う
12月25日、住民の皆さんが環境局を訪れ、局長に直に申し入れを行い、井口議員も同席し、住民の意見をよく聞くよう申し入れました。環境局長は「議会で再度審議されるので、その意思に従う」「よみうりランドに対し、住民に説明するよう指導する」などとこたえました。

これから動きがあり次第、随時「よみうりランド埋め立て問題」として報告します。