井口まみ
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どの子も希望した高校に入れますように―一般質問その2-

2007,12,26, Wednesday

一般質問の二回目は高校入学のための融資制度の改善です。
神奈川県は公立高校の定員を、中学卒業生総数の約6割と決めています。私立の定員を確保するためです。しかし、そんなにきれいに進学先が決まるわけがありません。私学に行くにはまとまったお金が必要です。サラリーマンの平均給与が依然減り続けているとき、4割もの子どもたちが私学にいけるなんて、とても考えにくい。実際、狭き門の公立の全日制に合格できなかった生徒が定時制に殺到し、今年の3月も去年の3月もその前の3月も定時制が定員をオーバーして大問題になりました。今年の調査では神奈川県の全日制の進学率が9割を切り、全国最低水準となりました。ある新聞は「公立の定員の少なさが原因ではないか」と書きました。全日制を希望しながら行くことができない、そういう子どもたちがこの神奈川にたくさんいることに本当に胸が痛むのです。根本的には、公立高校の定員を増やすことです。また、私学にもいい学校がたくさんありますから、授業料を下げて安心していくことができるようにすることです。これは県の裁量が大きい。だから今回は、この残念な状況の中で川崎市ができることは何かということを取上げました。
代表質問では奨学金をもっと増やせと要求しました。これは高校に入学してから手続きなので、私学の入学手続きに間に合いません。そこで、3月以前にうけられる融資をとりあげたのです。生活保護世帯と、生活保護基準の1・7倍程度の収入の世帯が借りることができる「生活福祉資金」のうちの「修学資金」は、区の社会福祉協議会が窓口です。入学支度金が50万円、月々35000円が借りられ、返済は無利子で、高校卒業して6ヵ月後から20年を期限に返済します。おおもとは国の制度で、1月でも2月でも決定されれば融資を受けられます。
問題は、申し込んでから融資が決定するまでに最低でも3週間かかるということです。私学はほとんどが合格発表の直後にお金を払わなければなりません。ですから、特に推薦入試の場合は、11月か12月には申し込んでおく必要があるのに、そういうことは誰も広報していないのです。また、この制度自体、中学生やその親に知らされていません。我が家にも受験生がいるので、学校からもらってきたプリントなどをひっくりかえしましたが、よくわかりませんでした。もし、この制度を使えば私学にも行くことができるかもしれない生徒が、知らなかったためにあきらめていたとしたら…。私はこの制度の担当局である健康福祉局長に「丁寧な周知をしてほしい」と質問しました。局長は、市独自のチラシを作るとは最後まで言わなかったものの、「遺漏のないよう、関係機関に働きかける」とこたえました。そして、教育長には「進路指導の先生や3年生の担任の先生がこの制度をよく知っていれば、案内できる。ぜひ周知をお願いしたい」と要望しました。
我が家の受験生にこの話をすると、「公立はあぶないっていわれたけど、親には私立は行っちゃだめっていわれて、泣きたい」って言う友達が何人もいるんだよ、と中3生の苦しい思いを教えてくれました。そんな子達にこの制度を何とか伝えられないか、と焦ります。窓口は各区の社会福祉協議会。連絡先は川崎市社会福祉協議会のホームページに載っています。どうか1人でも2人でも、自分の希望する進路に進めますように。心から祈っています。