井口まみ
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やっぱり川崎の港に大きなコンテナターミナルはいらない

港湾学習会2共産党川崎市議団で専門家に研究委託をして、川崎港コンテナターミナルの行方について、研究していただきました。5月22日、その結果の報告会がありました。

研究者は、元明治大学助教授の小出修三さん。川崎港コンテナターミナルのムダ遣いが問題になった時から、研究をお願いしてきました。海運のことを総合的に研究できる方は少なくて、とても貴重な方です。

港湾学習会1小出さんは、世界経済の動向から解説を始めました。リーマンショックから大きく回復しているが、経済危機の危険性が指摘されていること。日本の港を使いたい企業は、アジアが中心であることを具体的な数字で明らかにして、「川崎港に、これから大きな船がたくさんコンテナを積んで来ることはない。港を大きくする必要はない」ときっぱり。

それは、2016年に日本の船会社3社がコンテナ部門を統合し、新しい会社を作りましたが、そのCEO(最高経営責任者)が新聞のインタビューに答えて「いちばん大きな船でなくてもいい」と船舶の大型化を追わない姿勢を示したと報道されるなど、業界では大きな港は必要ないことをすでに明らかにしているということも紹介されました。

なのになぜ川崎市はまだコンテナターミナルを広げようとするのか。小出さんは、過去の過大な計画を経済情勢に合わせて見直すことをせず、過大な予測に基づいて拡大を進めようとしていると指摘します。川崎市はすでに、このコンテナターミナルに過大な投資をして失敗し、多額の税金を投入してきています。その反省もなく、さらに拡大するというのは「そもそも疑問だ」。

川崎港はもともと工業港として、日本の産業の発展に大きな役割を果たしてきました。身の丈にあった、日本の経済活動の中で求められる役割は必ずあるはずです。それをしっかり見据えた港湾管理が必要だと感じた、報告会でした。