井口まみ
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名古屋市の視察その2-水の歴史資料館です

次は「水の歴史資料館」です。水マニアとしてはワクワクするようなところです。

IMG_0638[2]名古屋市が近代水道を敷設して100周年の2016年に開設した、上下水道の歴史が学べるところですが、お金をかけずに知恵を絞って、いろいろな年代の人に利用してもらえるよう、手作りの工夫がされています。ビールサーバーを再利用して、金のしゃちほこのおもちゃをくっつけて、いかに水道水がおいしいか、試飲できるコーナーや、いま話題のマンホールも並べています。マンホールカードを集める女性を「あなじょ」というのだそうな。

IMG_0641[1]家康が名古屋城の城下町をつくったときに、木の水道を作ったのが名古屋の水道の歴史の始まりです。その時の木の樋が残っています。明治になってイギリスから技師を呼んで、近代水道を引く工事が始まります。木曽川から2系統の水を引き、現在の名古屋市の水が出来上がっていくのですが、これを見て、先日の川崎市議会で提案した「水道法の一部を改正する法律案の撤回を求める意見書案」を思い出しました。水道というのは、その地域にあったやり方を長い時間をかけて作り上げてきたものだ、と、無理やり広域化することの無謀さを指摘したのですが、まさに、名古屋は名古屋の地形に合わせて、自然流下で広大な市の隅々まで水を供給している、その長い歴史を学ぶことができるのがこの資料館でした。

IMG_0629[1]さらにこの資料館で力を入れているのは、防災の展示です。必ず来る大地震や大雨の災害のときに慌てずに対処できるよう、ここで応急給水拠点の開設訓練や、マンホールトイレの設置が訓練できるのです。中学生に来てもらっているとのことでした。それはいい!

IMG_0621[1]展示室の入り口に描かれている「飲水思源」。水を飲むときにはその源に思いをはせよ、ということだそうです。感謝をもって水を飲もう。川崎も昨年、こうした資料館を作りましたが、まだまだ宣伝が足りません。自分たちが飲んでいる水はどこから来ているのか。どんな歴史があるのか、それを知ることが水を守ることになるのです。ぜひ普及していきたいものだと思いました。