井口まみ
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一般質問その1【助産所と多摩病院】

2008,07,02, Wednesday

六月議会の一般質問の報告です。今回は5項目とりあげました。まずその1です。
川崎市内には、分娩できる助産所が8ヶ所あります。多摩区には稲田堤、私の家のすぐそばに、とても人気のある助産院があって、いつも若いお母さんたちが、赤ちゃんが生まれてもまるで自分の実家に帰ってくるように、とても頼りにして集まっています。2年前、医療法の改定で、こうした助産所は、「嘱託医療機関」を決めないと、営業してはいけないことになりました。異常分娩があったとき、24時間、緊急に受け入れてくれる病院と提携するようにということです。これまでも助産師会は独自にそういう病院を持っていましたが、今度は法律で決められたのです。
ところが、全国的にも24時間受け入れてもよいという奇特な病院がありません。昨年の冬、国会でも問題になりました。日本共産党の小池晃参院議員が、「決まらなければ営業してはいけないというのは拙速だ。とくに、公立病院が消極的。国が指導するべき」と指摘したのです。その問題が川崎でも起きていました。高津以南の助産所は、帝京病院とか、協同病院とかと提携できたのですが、地域密着の総合病院が市立多摩病院しかない宮前区と多摩区の助産所が、多摩病院に断られて、やむなく嘱託医療機関を個人病院にお願いしたのです。私は当然のこととして「公立病院がうけいれずに、誰がやるのか」と、質問をしたのでした。
ところが、市立病院を管轄する病院局は頑として受けれません。理由は小児科医、産科医不足ですが、それはどこの病院も同じこと。一つの助産所で緊急の事態が起きるのは年に数回だといいます。特に多摩病院は、市立とはいえ、指定管理者として聖マリアンナ医科大学に全面的に委託しているので、市だけでは決められないという弱点もあるのです。病院局長の「医者は激務をこなしており、これ以上ムリ」という答弁を2回も聞きました。
これは、川崎市が、登戸病院の存続には耳も貸さず、川崎北部の医療事情に責任を負ってこなかったつけがまわってきているという問題だと思います。何年か先に新百合ヶ丘に新しい病院ができるまでは、北部の総合病院は、高度医療を専門とする聖マリを除けば、多摩病院しかない状況に変わりはないのです。国も「嘱託医療機関には公的機関がなっていただけると思う」と答弁しています。その責任をしっかり果たしてもらうため、ひきつづき追いかけていきたいと思っています。