井口まみ
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決算審査特別委員会 その1―災害用備蓄倉庫はどこに

2008,10,01, Wednesday

川崎市議会は他の議会に比べて発言回数がとても多いのが特徴です。それだけ市民の声を行政に届けることができ、民主的であるということです。また、一人一人の議員がどういう考えを持っているのかもわかります。いまは、市議会のホームページで生中継や録画によって質問をそのまま視聴できるので、顔つきまでわかってしまうというわけです。
さて、今回の決算審査特別委員会も30分めいっぱい質問しました。そのうちのいくつかをちょっと詳しく報告しようと思います。最初は、大規模災害が起こったとき、避難所はどうなっているか、という問題です。
川崎市は大きな地震が来たら、避難所には人口の約2割の27万人が集まってくると想定しています(そう、130万市民の全員が来るとは想定してないのですが、その問題は別の機会に)。それにそなえて、174か所の小中学校を避難所に指定し、災害用簡易トイレを2700基購入するとしています。トイレはすでに2500基余購入済みですが、2割くらいしか学校に置いてありません。それは災害用備蓄倉庫が中学校にしかなく、中学校の備蓄倉庫も空き教室を借りることにしているので、生徒が増えたりすると備蓄倉庫がなくなってしまうからです。今ある備蓄倉庫65か所も、校舎の3階や4階などというところがあり、「いざという時に役に立つのか」ということが問題になっています。
2008,10,01, Wednesday

災害用簡易トイレは組み立て式で、写真は最新式の洋式トイレですがこれで50キロの重量があります。学校に配置されているのはよくイベント会場にあるような和式トイレで、何と120キロもあるのです。ある中学校で町会の皆さんが訓練をしたが、備蓄倉庫が4階で、重くてトイレを出せなかったという深刻な話もあります。
これはすべての避難所になる体育館の倉庫にしまっておくべきでしょう。私は教育長に「体育館の倉庫に簡易トイレを、備蓄倉庫を体育館の脇に建てることを教育施設の側で認めるべき」と聞き、教育長も「それは可能です」と答えました。そうなると、問題は空き教室で良しとしている危機管理室です。災害時に市民を守る中心部署である危機管理室を所管する総務局長に「学校は倉庫を作ってもいいと言っている。なのに空き教室でいいというのは、倉庫を作る予算を出さないからだ。必要な予算をとって、すべての避難所に対応する倉庫をつくるべき」と求めました。総務局長は「防災拠点となっている中学校から優先して整備する」というばかり。市民を守る真剣さがない!とおもわず指摘しました。
もう一つ教育長にただしたことがあります。避難所を開設するとき、だれが簡易トイレを組み立てたりできるでしょうか。お父さんは仕事に行っている時間かもしれない。地域の大人の人も自分のうちから出てこられないかもしれない。そういう時に頼りになるのは必ず地域にいる青年たち、とくに中学生ではないでしょうか。町会などが避難所の訓練をするとき、中学生も一緒にできるよう計らってほしいと質問しました。教育長は「避難所訓練を実施するときには、学校が生徒に積極的に参加の呼びかけをし、社会に貢献できる生徒を育成したい」とこたえました。なんとたのもしい!これは訓練をして、いざとなってもあわてない街づくりをしたいとおもいました。
それにしても、私たちは、自分や家族が避難所に行かなければならない災害にあうことを、具体的に想像しているでしょうか。考えれば考えるほど「これは大変だ!」と思うことにぶつかります。何よりも自分の家が倒れないようにしておくことが何よりも大切だということに、やっぱりいきつきます。