井口まみ
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JR稲田堤駅の臨時改札口の安全対策について質問しました

12月16日、川崎市議会第6回定例会の一般質問で、JR稲田堤駅の橋上駅舎化工事の安全対策についてとりあげました。とくに、臨時改札口の問題について、今のままでは危険な状態になるとして、まちづくり局長に質問しました。

以下、やりとりをほぼそのまま採録します。正式な会議録は後日市議会から出されますので、参考までにご覧ください。

(黒字…井口、青字…答弁・奥澤まちづくり局長 画像は本会議場で映し出したもの))


JR稲田堤駅の橋上化工事について、とりわけ、工事中の安全対策について、まちづくり局長にうかがいます。

初めに、いまは仮改札口を作っているところとのことですが、現在の工事の状況と、完成時期に変更はないのか、進捗についてうかがいます。

JR南武線稲田堤駅についての御質問でございますが、はじめに、工事の状況につきましては、本年4月に本体工事に着手し、現在、駅南側に仮駅舎の整備を行っているところでございまして、本体工事の完成につきましては、当初の予定通り、令和5年度を目指して取り組んでいるところでございます。

コロナ禍ということもあり、工事説明会が開かれないまま、すでに工事がすすんでいて、その状態を見て、住民の皆さんからたいへんな心配の声が上がっています。ディスプレイをお願いします。

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4月には町会を通じてイメージ図が住民に知らされ、それしか情報がないので、それをもとに作ったのがこの図です。ご答弁のように駅南側に仮駅舎を作っているわけですが、それは、車が1台しか通れない一方通行の道路に面しています。現在、朝の2時間におよそ1万人が改札をはいるというのがJRの調査結果です。この道路に10分で500人近い人が集まり、わずか4つの改札口に殺到します。もちろん駅から出ていく人はこの時間帯にさらに3000人いるということで、これが交錯します。

改札に入ると、川崎駅方面に行く人が圧倒的に多いのですが、その人たちは新しい跨線橋を渡ります。跨線橋はすでに出来上がっていて写真を撮りました(左ー新、右ー旧)。現在の跨線橋と比べてみると、なるべくカメラの位置を同じにしてみましたが完全に正確ではありませんが、明らかに狭い。実際見れば明らかに6割くらい狭いです。

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また、下りホームに行く人たちは、改札口とホームの間に高低差があるので、改札に入ってから、わざわざスロープでぐるっと回って仮跨線橋の下に入り込んでホームに行かなければなりません。本当に狭い稲田堤駅の下りホームのわきで、1万数千人が朝の忙しい時間に交錯するのです。道路に人があふれる可能性があります。改札の中では階段やスロープに人が入りきれない可能性があります。今でもホームの上は人があふれているのに、一度でも朝の稲田堤駅を使ったことがある人なら、とてもこれは危険だというでしょう。

8月に住民団体の皆さんが、市の担当課とJR東日本横浜支社に行って、この問題を訴えました。その際、JRの方の答えは「駅としての機能は旧駅舎と同じだから大丈夫だ」というものでした。施工者は市ですから、市としての考えをうかがいますが、住民が8月に訴えた後、その声をどう受け止め、何らかの手を打ったのかうかがいます。

仮駅舎設置についての御質問でございますが、駅構内の施設につきましては、 JR東日本から、駅利用者数の実績に基づいて、仮設の改札口の数や跨線橋の通路幅等を設定していると伺っており、駅利用者が適正に通行できるものと考えております。

また、仮駅舎に接続する道路につきましては、仮駅舎を南側に設置することに伴い、駅利用者の集中が想定されるため、警備員の配置、工事敷地を利用した歩行者空間の確保等をJR東日本と調整しており、こうした内容につきまして、 12月21日に工事説明会を行う予定でございます。

JRは「適正に通行できる」と言っているとのことですが、私のまわりで、それを信じて「大丈夫」という人はまずいません。いまでさえ、4つの改札口のまえで人がたまり、1本でも電車に遅れが出れば、ホームに入りきらない状況なのに、明らかに人がたまるところがなくなるのです。市もそれがわかるから、道路側に歩行者空間を作るなどの対策を考えたのではないですか。

住民の皆さんは、心配していくつかの案を出しています。一つは、前面の道路を朝の時間帯だけ通行止めにするということです。もう一つは、北側の上りホームに朝だけでも臨時改札を作るということです。検討すべきと思いますが、うかがいます。

仮駅舎設置についての御質問でございますが、はじめに、仮駅舎に接続する道路の交通規制につきましては、工事に起因した特定時間帯の通行止め等の規制はできないと交通管理者から伺っております。

次に、駅北側に臨時改札口を設置することにつきましては、南側に仮駅舎を設置後に、現在北側にある既存の駅舎を解体し、この用地を工事ヤードとして利用するため、臨時改札口の設置は難しいものと考えております。

ならば何か案を考えるべきではありませんか。JRが大丈夫だという気が知れませんが、市としてはさすがにそう言い切れないから、道路側に歩行者空間を作るなどの手を考えたのでしょう。住民の安全を思えば、何かいい考えはないのか、ともに考える姿勢が必要ではないでしょうか。上りホームのもっと川崎寄りの私有地を借りて、中野島駅のような臨時改札を作るとか、何らかの手を打つことを強く求めておきます。

12月21日に住民説明会がやっと開かれます。みんなすでに出来上がりつつある現物を見ているのですから、私がいま指摘したような声が出ることは明らかです。きちんと図面を使って、ていねいに説明すること、出た意見については真摯に受け止めることが求められていると思いますが、対応をうかがいます。

工事説明会についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、工事着手前の説明会の開催を延期し、地域の皆様には、本年4月に町内会等への回覧や現場への掲示により、工事手法やスケジュール等についてお知らせしたところでございます。

今回の工事説明会におきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮しながら、 JR東日本と連携して、工事手順やスケジュール、安全対策等につきまして、御意見等を伺いながら丁寧に説明してまいります。

住民の皆さんはたくさんの意見を持って集まってこられると思います。そもそも今までまったく図面も明らかにされていません。現地にも4月に配られた概略図が張ってあるだけで、どんな工事をしているのかわからないまま進んでいます。説明会にはちゃんと図面も出して、住民の皆さんの疑問にしっかり答えることを求めて質問を終わります。