井口まみ
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生田出張所の新庁舎が完成しました

IMG_3833[1]多摩区には区役所の出張所が1か所あります。生田出張所。築46年でしたが、地下水が建物にしみこんで建て替えざるを得なくなり、4年前から準備が始まりました。単なる区役所機能だけでなく、地域のコミュニティに役立つものにしようという新たな手法が取り入れられ、住民の声が生かすことになった、川崎市では珍しい建物がついに完成し、今日、完成記念式典がありました。内覧もさせていただき、この4年間のいろいろを思い出しました。

ここは、川崎市になる前の生田村の村役場があったところで、地域の長老たちには思い入れの強いところです。30年ほど前に、市民館・図書館分館を併設するために建て替えることになったのですが、様々な理由から立ち消えになり、この30年間、住民から「住民が使える出張所にしてほしい」と声が上がっていました。

4年前にいよいよ建て替えが決まった時、まず「住民の声を聴くべき」と私も議会で求めました。市も、新たな試みとして公募市民によるワークショップを3回も開き、話し合いの結果を設計図に落とすところまで具体化しました。圧倒的に多かった声は「市民がいつでも使える集会室や図書室」でした。市民館・図書館分館が立ち消えになったことは忘れられていなかったのです。

私も繰り返し、集会室と図書室を入れるよう求めました。結局図書室はだめでしたが、行政の仕事をしていない時間帯も使える会議室を設置することができました。

今日の式典で市長が「市民の皆さんや議会からも意見をいただき、それを生かす手法をとった。その意見が反映されていく過程を見続けてきた」とあいさつ。施設の紹介をした市民文化局長も「川崎市が公的施設を作っていく一つのモデルケースとして、運営にも皆さんの意見を取り入れていきたい」と、ほんとうに新しい手法を取ったのだということがよくわかりました。

IMG_3815[1]ほかの施設にはない新たな施設は、夜8時まで使える多目的ホールで、ちょっとしたキッチンや電源付きのテーブル、子どもが遊べるキッズコーナーも。授乳室は小田原の木を使ったそうで、木の香りがしました。オープンスペースは上の生田小学校の敷地と直接つながっており、24時間通行できます。行政がここまで施設をオープンに使わせるのは勇気がいっただろうなあ、と余計な心配もしてしまいました。

IMG_3810[1]生田地区町会連合会は今年結成60周年だそうで、おりしも新しい庁舎ができたことを記念し、寄木絵を寄贈しました。生田地区のシンボルとして枡形山の展望台を国産材で作ったのだそうです。ここにも地域を愛する人たちの思いがありました。

IMG_3811[1]まだ直してほしい点はたくさんあります。消防団の屯所は天井が低くて使えないという失敗もありました。しかし、局長は「使っていく中で不具合は前向きに変更していきたい」と明言しています。その過程も生田の住民の皆さんの利用をさらに増やしていく道だと思います。

市長は、この生田地域に図書館を作ることは正面から拒否しました。同じ地域の人たちの声を聴く耳を持たないというのは、何という矛盾かと思います。私は初当選以来、この生田地域の市民館・図書館分館の建設をあきらめずに求めてきました。そのうち、市民が集まる場所をちょっとは作れたという思いはありますが、いわゆる公民館の機能を求めているので、全くの第1歩です。使い始めればいろんな意見が出るでしょう。それをこれからもしっかり届けて、実現していこうと思います。