井口まみ
井口まみ井口まみ

行きたい学校に行けない子をなくしたい-パンフレットを作りました

2009,03,14, Saturday

このごろ寄せられる相談には特徴があります。これまで何とか仕事をして暮らしてきたが、ここへきてこのすさまじい不況の影響で、急に収入が減ってしまったというものです。若い人は「家賃も払えない」「来月はまったく仕事がない」という切羽詰った人も。その中で一番多かったのが、「子どもの学費が工面できない」というものです。
親は自分のことは我慢しても、子どもの願いをかなえて上げられないのが一番悲しい、のです。痛いほどわかります。なんとかならないかと、いろいろ調べました。よその都市にはいろいろありましたが、川崎はほんとに無策で、なんということか!それでも今ある制度は紹介しようと思います。
川崎市の「高等学校奨学金」は1年間に123,500円支給され、返さなくてもよいというものです。これがいちばんありがたいのですが、予算を年々削り、いまは350人分しかありません。去年は900人以上が申し込み、しかたなく審査で600人を落としました。私たちは議会で予算を増やせと求めましたが、「行財政改革なので」とだめでした。でも350人はもらえるので、申し込まない手はありません。4月半ばまでに入学した高校で申し込みの手続きをします。神奈川県も県内の私立に通う生徒のために返さなくてもよい奨学金の制度があります。
あとはほとんどが無利子で、卒業後就職してからでよいのですが、返さなくてはならない貸付制度ばかりです。県の高等学校奨学金、国の生活福祉資金、母子家庭のための福祉資金などです。それでも、少なくともそれを使えば進路をあきらめなくてすむのなら、やっぱり使ってほしいと思います。
勝又議員が議会で「こうした制度を紹介するパンフレットを作るべき」と求めましたが、市は作る気がありません。待っているわけにいかないので、こちらで作ってしまいました。必要な方にはお分けしますので、ご連絡ください。
それにしても、「学費が工面できない」というフレーズは、戦前で絶滅したのではなかったでしょうか。時代が逆戻りしているようでたまりません。教育の機会均等は、新憲法のもとで、あたりまえになったはずです。政治が悪いのです。15歳の春に泣かなければならないような子どもを生む政治を変えることが必要です。