井口まみ
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市議団で臨海部の視察を行いました

DSC_0185日本共産党川崎市議団は久しぶりに全員そろって、川崎の臨海部を視察しました。縦に長い川崎市の南の端っこは教科書にも出てくるコンビナートを中心とする日本を代表する工業地域。海はあっても市民が気軽に遊びに来るところではありません。しかしここに産業振興のためと称して莫大な税金が投入されています。70年代、たいへんな公害を発生させて市民を苦しめたのもここでした。いつも監視の目を光らせていないと、知らないところで、市民のためではないお金が使われる可能性があります。今も余計な橋を作っています。こうした今の状況をつかむために半日の視察を行いました。

IMG_1570まず乗ったのは、川崎港の巡視船「あおぞら」。客室があって、いつでも無料で市民が川崎港を海から見ることができるようになっています。港湾は戦後、自治体が管理することになりました。国が勝手に軍港にしないためです。管理地の中の動きはすべて市の港湾局が把握しています。港湾局のベテラン職員が、どんな工場があるのか、どんな倉庫に何が入っているか、どこからどんな船が来て何を動かしているか、次々と教えてくれました。私はもう何度もこの船に乗っていますが、そのたびに経済が生き生きと動いていることをIMG_1654実感します。そのなかに、必要のない980億円もかかる橋の工事が行われているところや、船が来なくてコンテナ置き場がからからとあいているコンテナターミナル(この日はたまたま小さな船がコンテナを積み下ろししていて、職員が「あ!船がいますよ!」と紹介していました)、リニア新幹線の残土を埋め立てるために囲われた岸壁など、しっかりと見てきました。コンテナターミナルは、陸側からも見てきました。

IMG_4739[1]川崎市が臨海部をどうしようとしているか、を象徴的に表しているのが、「キングスカイフロント」と呼ばれる、旧いすゞ自動車の広大な工場跡地です。10年前には雑草の生い茂る空き地でしたが、数々の研究所を誘致し、先端技術の開発を行う所としています。これから開発する技術のための企業の誘致をいち自治体が税金を使って行うことは慎重さが必要です。それだけでなく、誘致が成功せず土地があいてしまった場合、そこに公的施設を入れて埋めようとする。結構全国で問題になっていることです。

IMG_4697の日視察したのは、まさにそういうところ。市が土地を買い、民間事業者に貸し付けて、建物を建てる。そこに市の衛生研究所と公害研究所を移転して、賃料を払う。そういう建物を見てきました。まあ、視察すると言ったら大変歓迎されて、旧衛生研究所である川崎市健康安全研究所は、岡部信彦所長自らが案内をしてくださり、コロナ対策の最前線であるPCR検査の機械やゲノム解析の機械など説明していただき、それは大変勉強になりました。環境総合研究所も郊外の克服の歴史をふまえた役割を自覚していると、今の川崎の環境保全の様子を詳しく説明していただき、ここは市民の皆さんと来たいものだと思いました。

半日ではこれでも駆け足で、時間が足りませんでした。とりわけ市北部に住んでいると、どこに税金が使われているのか、具体的に実感することができません。今度は市民の皆さんと見に来たいと思います。