井口まみ
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子育てに真剣に取り組むなら――世田谷区、調布市、江戸川区を視察

2009,04,26, Sunday

子育てに関する施策を調査するため、共産党市議団としてあちこちと視察をしています。どこに行っても、ごく当たり前のように子育てに必要な施策を行っており、「こんな当たり前のことが川崎でできないなんて」とちょっとショックを受けてしまいます。
世田谷区では、小児医療費無料制度について説明を聞きました。2006年12月から所得制限なしで中学校卒業まで医療費を無料にしています。多摩川をちょっと越えるだけで川崎は小学校入学前までで、所得制限があって2割の人は無料になりません。私たちは「議会で所得制限をするべきとか、お金がかかりすぎるとかという議論になりませんか」と聞きました。そう、川崎では完全無料化を主張しているのは共産党だけなのです。区の担当者は「病気になるのに、お金のあるなしは関係ありませんから、そのときにお金の心配をしないで病院にかかることができるのが区民のためだということが共通認識であり、そういう意見はありません」とのこと。そうですよね。あたりまえですよね。
2009,04,26, Sunday

調布市では、「子ども家庭支援センター すこやか」を見学しました。国領駅の駅前再開発で作られたショッピングモールの一角を市が買い取り、そこにいつでも子どもといっしょに遊んだり、サークル活動をしたり、ときにはショートステイで預かってもらえる総合的な子育て支援センターを作ったのです。いつでも来ていいホールは「屋根のある公園」と銘打っていて、「それはいい!」とうらやましく思いました。1500平方メートルとのことで、数字だけ見ると公的施設としては狭いと感じますが、中はとてもひろびろとしていて、毎日たくさんの子どもとお母さんが集まってくるとのことでした。運営は社会福祉事業団に委託していますが、常時看護士や児童心理の専門家を配置して、どんな相談にも応じられるようにしているなど、人の配置もたいへん手厚くしています。この運営費が年間1億9000万円。川崎市の予算は調布市の数倍なのです。できないわけがない!
2009,04,26, Sunday 2

そして江戸川区は幼稚園です。まず区立幼稚園を見学しました。なんと保育料は月3000円!川崎市立幼稚園の先生と同じように、自らの教育にたいへん誇りを持っておられました。園庭も広く、のびのびと遊んでいる姿が印象的でした。そのあと、区役所で私立幼稚園の保育料補助の制度について聞きました。それが衝撃的。公立幼稚園に通う子どもと差がないように、およそひとり3000円になるように補助金を設定しているのです。だから、都の補助とあわせてひとり月26000円!!川崎は、国の制度で所得によって違いますが、多くても月10000円、一番多いのは月2000円程度です。この違い!「なぜこんなに多いのか」と思わず聞いたら、「公立と私立の格差を是正するためにはじめた制度なのであたりまえです」…。川崎はわずかな子どもがやすい公立に通えるのは不公平だと公立をなくす。どっちが子育て支援に真剣か、あきらかです。もうため息が出ました。
こうして各地の進んだ制度をうかがうたびに思うことは、そのすべてを川崎でできるわけではないのですが、その制度を行っている都市の考え方、ポリシーはけっしてその都市の特別なものではないということ、川崎でもそのポリシーを持って、どうやるのか考えれば必ず市民のための施策はできるだろうに、市民の立場に立たないからできないんだ、ということです。川の向こうに住めば当たり前に受けられる施策を、川崎ではどうやるのか、それを考える市政にしたいとつくづく思います。