井口まみ
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「伊藤千代子」は高校の大先輩ー映画になりました

313404964_2216637091851540_2712253078530588306_nやっと見ることが出来ました。映画「わが青春つきるとも〜伊藤千代子の生涯〜」。封切りから半年以上たってしまいましたが、多摩区の会場はかなり埋まっていました。

伊藤千代子さんは戦前の日本共産党員です。長野県の諏訪湖のほとりで育ち、諏訪高女、今の諏訪二葉高校を出て。そう、私の先輩なのです。彼女の人生はいろいろな本によって繰り返し学んでいました。何を読んでも、自分の故郷の風景とその思いが重なっているから、特別な存在でした。

千代子は戦前の戦争反対、国民主権を求めるひとびと、とりわけ女性たちのリーダーの一人として活躍しますが、24歳で特高警察によって拷問され、なくなります。1929年でした。太平洋戦争に突入していくのは、こうして共産党員を根こそぎ弾圧し、さらに天皇を神と崇めないからと宗教者まで徹底して弾圧し、ものいえぬ国にしてからでした。戦争が終わり、民主主義の国になると宣言したのは、千代子が亡くなってから16年もあとのことでした。でも、生きていたら40歳。どれだけ新しい社会のために働けたか。無念さが広がります。

映画はたくさんの史実をまとめ、省略して進んでいくので、自分が感動した出来事がなかったりして、あら、って思ったりしたのですが、井上百合子さん演じる千代子のハキハキとしたキップの良さというのか、爽やかさはとてもよかった。ああ、きっとこういう人だったんだろうな、と人物像が描けました。浅野晃、お前が悪い!

313403977_2216637038518212_3099486129268496402_nただひとつ。千代子がいちばん懐かしがったであろう、諏訪湖の風景がなかったことは、ものすごく残念です。ロケ地にもなかった(涙)諏訪湖の向こうの八ヶ岳。これはあの頃も今もかわらないわたしたちの原風景です。ここに載せておこう。