井口まみ
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神奈川県内広域水道企業団議会がありました~水道料金が上がる!?

11月21日、神奈川県内広域水道企業団の11月議会が終わりました。一部事務組合の議会というのは、市民から遠く離れていて、市民生活に重大な影響があるのに知らされていかないのだということを痛感しました。神奈川はこれから大変な水道料金の値上げに直面していくことがわかりました。

神奈川県の人口の8割が東部地域に住んでおり、神奈川県の運営する県水、横浜、川崎、横須賀が独自に運営する水道事業の4事業体の水を飲んでいます。その4事業者がバブル期にお金を出し合って「足りない水を共同で作ろう」としたのがこの企業団。これも立派な自治体です。だから議会があります。川崎市も市民の飲み水の半分はこの企業団から供給されています。

この議会に6月川崎から選出され、昨年3月に作られた「かながわ広域水道ビジョン」の説明を受けてびっくり。施設は過大すぎていらなくなり小さくする必要があるが、それは各自治体の浄水場などを廃止して企業団は増強する。それで全県的なダウンサイジングをするというもの。今後30年間かけてやっていくそうですが、それぞれの施設にはそれぞれの歴史があり必要だから作って来たのに廃止??と思ったのですが、重大なのは、そのことを各自治体はまだ決定していない。裏でこっそり合意はしたけど、正式に各市民には知らせてない、ということでした。

11月議会は昨年度の決算を認定する議会です。すでにこの企業団増強計画は始まっており、調査費用などが使われていました。私はそんな決算は認定できない、と一人反対を貫きました。初日の本会議と2回の常任委員会で質問し、最後の本会議で討論をしましたが、本会議質問は10年ぶり、討論は20年ぶりだそうです。どんな議会だ!

私の議論の中心点は「自分たちが飲む水がどこから来るのかは自分たちが決めるというのが水道事業の鉄則」「水は民主主義」ということです。市民の議論にかけずに勝手に浄水場をなくすとか広げるとか決めてはいけない!

今日の質疑で分かったのは、企業団はその増強計画のために料金の計算方法を変える。そのために必ず料金が上がるということでした。そんな重大なことも、各自治体では知らされていません。それこそ真っ先に知らせ「それでいいでしょうか」と議論するのが当たり前でしょう。もし市民がダメだと言ったら計画を変えるのが当然でしょう。今日の企業長の答弁は「それぞれバラバラに浄水場などを更新したらお金がかかるから、これが一番いいのだ」と言い張りましたが、市民がたとえお金がかかっても自分たちの身近な浄水場で水を作りたいと言ったらそうするが当たり前で、企業団が口を出すことではないのです。

1人、、「水道、 再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと 岸本聡子 Kishimoto Satoko 「恐れぬ自治体 が立ち上がる。 杉並区長の 新デモクラシー論 激戦選 当選 「公共」の再生が 日本を救う。 「人新世の「資本論」」 斎藤幸平 絶賛! コモン〉再建の方法が 具体的にわかる 魅力的な一冊。 pilot, wisdom 集英社新書」というテキストの画像のようです「水は民主主義」という言葉は、先日杉並区長になった岸本聡子さんの「水道、再び公営化!」という本からいただいたものです。本当に感動したので。世界では一度民営化した水道を再公営化する動きが急速に高まっている。その原動力は「自分たちが飲む水を誰から買うかは自分たちで決める」という民主主義の力だと。今日もこれを読んで自分に活をいれてきました。

最後の討論は力を入れて書いていきました。該当部分を長くなりますが、下記に張り付けておきます。


私は、提案された各議案について、討論を行います。

次に認定第1号「令和3年度神奈川県内広域水道企業団水道用水供給事業決算の認定について」です。

施設の老朽化対策、災害対策などを行っていたことは理解し、結果として黒字になっていることはよかったと思います。しかし、「かながわ広域水道ビジョン」および「実施計画」の30年後の将来像に基づき、企業団施設の増強計画をすすめていることについては、先走りの感は否めないと思います。

川崎市はすでに6年前にダウンサイジングを完了していますが、その計画が発表されたとき、大きな議論が起こりました。とりわけ地下水を自己水源とする生田浄水場の廃止をやめるべきという署名は、2回にわたって2万を超えて集まり、市民の耳目を集めました。廃止されて6年がたっても、いまだに復活の声があります。それは、災害時に他都市からの応援を得なくても自分たちの水源で水が供給できる施設をなぜなくすのか、という、川崎市民にとっての浄水場の存在意義を問うものだからです。命の水をどこから求めるのか、どうやって私たちの家まで引くのか、は直接水を供給されている市民が決めることです。もっともっと各自治体の市民が議論しなければなりません。用水供給者の企業団はその議論の結果をもって、企業団の施設のサイズを決めるべきです。各自治体がそうした議論の結論を出していないときに、先に企業団が増強を始めるのはあまりに拙速です。ましてそれで水道料金が上がるかもしれないのですから、このまま計画が進むことを黙認することはできません。

こうしたことから、私は、再構築の事業を始める予算執行は一度止めて、各自治体の結論を待つべきだと考えます。その立場から再構築計画の実行をともなう令和3年度決算については、認定できないことをもうしあげ、あとの議案については賛成することを述べて討論とします。